明治時代の古い登記が残っている? 権利者が分からない場合の登記抹消について

「土地を売却したいのに、昔の古い登記が残っていて手続きが進まない」

不動産の登記簿を確認すると、何十年、場合によっては100年以上前の権利が残っていることがあります。

今回、実際にご相談を受けたケースでは、明治時代にされた賃借権設定の仮登記が土地の登記簿に残っていました。

明治時代の賃借権設定仮登記が現在も残っていた

登記簿を確認すると、明治45年に「賃借権設定仮登記」がされていました。

しかも、その存続期間は明治時代までとなっており、すでに長い年月が経過しています。

現在の所有者からすると、

「とっくに終わっている権利なのに、なぜ登記だけ残っているの?」

と思ってしまいますよね。

実際、今回のケースでは、登記されていた賃借権は存続期間の満了によって消滅しているものとして、抹消登記を進めることになりました。

ところが、簡単には抹消できません

ここで問題になるのが、登記名義人の所在が分からないということです。

登記簿に記載されている権利者について調査したところ、古い会社であったため、現在の商業登記簿を取得することができませんでした。

さらに、登記簿上の本店所在地にも配達証明付きの郵便を送りましたが、郵便物は「あて名不完全で配達できません」として返送されました。

つまり、

権利そのものはとっくに消滅している。
しかし、登記名義人に連絡が取れない。

という状態です。

通常の登記手続では、登記義務者の協力が必要になるため、ここが大きな壁になります。

そこで「公示催告」という手続を利用

このような場合に検討される手続の一つが、公示催告です。

公示催告とは、簡単にいうと、

「この権利について権利を主張する人がいるなら、一定期間内に申し出てください」

と裁判所を通じて公告し、一定の手続を経て、最終的に除権決定を得るための制度です。

今回も、裁判所に公示催告を申し立て、対象となる古い仮登記について除権決定を求める手続を行いました。

申立てにあたっては、不動産の登記事項証明書だけではなく、権利者の所在について調査した資料や、実際に郵送した書類なども添付しています。

古い登記は「放っておけば消える」とは限りません

ここは非常に重要です。

登記簿に100年前の権利が残っていたとしても、時間が経っただけで登記記録が自動的に消えるわけではありません。

権利自体がすでに消滅していても、登記簿上はそのまま残っていることがあります。

そのため、

  • 古い抵当権が残っている
  • 昔の仮登記が残っている
  • 権利者が亡くなっている
  • 会社が解散している
  • 権利者の住所・所在が分からない
  • 古すぎて現在の権利者を調べることができない

といった場合には、通常とは異なる登記抹消手続を検討する必要があります。

「古い登記があるけど、どうしたらいい?」という方へ

不動産を売却するとき、相続した不動産を整理するとき、あるいは土地を活用するときに、登記簿を見て「見覚えのない古い権利がある」と気付くことがあります。

特に明治・大正・昭和初期の登記は、現在では存在しない会社や、所在を確認できない人物が権利者になっていることもあります。

このような場合でも、すぐに「抹消できない」と決めつける必要はありません。

登記簿の内容を確認し、

  1. その権利が現在も存在するのか
  2. 権利者の所在を確認できるのか
  3. 通常の抹消登記が可能なのか
  4. 公示催告など別の手続を利用できるのか

を一つずつ検討することになります。

「昔の抵当権が残っている」「知らない会社の登記がある」「100年近く前の仮登記が残っている」

このようなケースは、登記の専門家である司法書士にご相談ください。

古い登記ほど、資料を一つずつ確認していく必要があります。

あおば司法書士事務所では、相続・不動産登記・古い抵当権や仮登記の抹消などについてご相談をお受けしています。

「こんな古い登記、消せるのかな?」

という段階でも構いません。まずは登記簿を確認するところから始めましょう。

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